サ高住の建設で利用できる補助金

目次

サ高住の建設には大きな初期投資が必要ですが、国や自治体の補助金を活用すれば費用負担を大きく抑えることができます。

本記事では、サ高住建設で利用できる主要な補助金制度と、採択のポイントをまとめました。

補助額や申請条件は年度によって異なります。以下では、令和8年度(2026年度)の制度を中心に解説します。

※制度情報は2026年9月14日時点。申請前に、各制度の最新の募集状況・交付申請要領をご確認ください。

サ高住建設で利用できる主な補助金制度

サービス付き高齢者向け住宅整備事業

国土交通省が実施する、サ高住の新築・改修などを支援する補助制度です。住宅や対象となる併設施設などの整備費用について、予算の範囲内で補助を受けられます。

利用にあたっては、自治体への「サ高住としての登録」と、補助事業事務局への「事業登録・交付申請」が必要です。住宅の登録を済ませただけで、補助金の申請が完了するわけではありません。

愛知県内の住宅登録窓口は、名古屋市・豊橋市・岡崎市・一宮市・豊田市では各市、それ以外の市町村では愛知県となります。建設予定地に応じた窓口へ相談しましょう。

※参照元:サービス付き高齢者向け住宅整備事業事務局公式サイト(https://koreisha.mlit.go.jp/service/)
※参照元:愛知県公式サイト「サービス付き高齢者向け住宅登録制度」(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/jutakukeikaku/0000081894.html)

サ高住建設の補助率・上限額と計算例

令和8年度の主な補助率・上限額は、以下のとおりです。新築と改修では上限額が異なり、設備や整備内容によって加算が設けられています。

補助対象 補助率 基本となる上限額
住宅部分の新築 補助対象事業費の1/3以内 150万円/戸
住宅部分の改修 補助対象事業費の1/3以内 234万円/戸
対象となる高齢者生活支援施設 補助対象事業費の1/3以内 1,250万円/施設

住宅部分の新築・改修は、戸当たり20㎡に相当する事業費を除いて補助額を計算します。建設費全体の1/3が、そのまま補助される制度ではありません。

新築では、ZEH相当水準の整備により上限30万円/戸、所定の車椅子使用者向けの便所・浴室等の整備により上限12万円/戸の加算があります。それぞれに適用要件があるため、基本上限とは分けて確認してください。

また、高齢者生活支援施設は、併設する施設すべてが対象になるわけではありません。通常の新築事業では介護関連施設等は対象外で、地域交流を行う施設など、要領で定められた施設が対象です。施設部分の補助額合計にも、住宅部分の補助額を超えられない制限があります。

30戸のサ高住を新築する場合の計算例

全30戸が補助要件を満たし、対象外費用と戸当たり20㎡相当の事業費を除いた住宅部分の費用が9,000万円と仮定します。加算・併設施設の補助を含めない場合、次のように計算します。

  • 補助率による算定額:9,000万円×1/3=3,000万円
  • 戸数による上限額:150万円×30戸=4,500万円
  • 両者の低い額:3,000万円

この例では、住宅部分の補助要望額は3,000万円となります。上限額に戸数を掛けた4,500万円が必ず受け取れるわけではありません。実際の金額は、申請内容や工事費の審査などを経て決まります。

なお、令和7年度までに設計に着手した計画には経過措置があるため、上記の条件をそのまま当てはめず、経過措置対象事業向けの要領を確認してください。

※参照元:サービス付き高齢者向け住宅整備事業事務局公式サイト「募集内容の概要」(https://koreisha.mlit.go.jp/service/dl/5-1_R08_service_point.pdf)
※参照元:サービス付き高齢者向け住宅整備事業事務局公式サイト「令和8年度 よくある質問」(https://koreisha.mlit.go.jp/service/dl/R08_qa_ver1.pdf)

補助対象となる費用・対象外となる費用

建設予算を立てる際は、総額だけでなく、補助の対象になる費用と自己資金・融資で賄う費用を分けて整理しましょう。国の整備事業では、主に次のような区分があります。

費用の区分 国の整備事業での扱い
住宅・設備の整備工事費 要件を満たす部分が対象。住宅部分には20㎡相当分の除外などの算定条件あり
高齢者生活支援施設の整備費 事業区分・施設の種類などにより対象を判定
土地取得費・造成費・敷地外工事費 原則として対象外
調査費・設計料・申請費 対象外
消費税・地方消費税 対象外
開設前の職員雇用費・研修費など 建設工事費とは分け、自治体等の開設準備経費支援の対象となるか確認

見積書を受け取ったら、建設会社に工事内訳と補助対象部分の整理を依頼すると、資金計画を立てやすくなります。他制度も利用する場合は、同じ工事・経費を重複して申請できるとは限らないため、双方の窓口に確認してください。

※参照元:サービス付き高齢者向け住宅整備事業事務局公式サイト「令和8年度 交付申請要領」(https://koreisha.mlit.go.jp/service/dl/1-1-A_R08_kouhuyoryo.pdf)

自治体が実施する補助制度

自治体が実施する支援にも、施設の整備費や開設準備経費などを補助する制度があります。ただし、サ高住という名称だけで対象になるわけではなく、介護サービスの指定や定員、事業内容などによって利用できるメニューが異なります。

愛知県では、地域医療介護総合確保基金を活用した「愛知県介護施設等整備事業費補助金」を実施しています。最新の別表には、特定施設入居者生活介護の指定を受けるサ高住を含む介護付きホームの開設準備経費支援が掲載されています。また、定員29人以下の小規模介護付きホームなど、条件によって整備費支援の対象となる区分もあります。

開設準備経費支援では、開所に必要な職員の給与や備品購入費などが対象として示されています。建設費への補助とは区別し、どの支出に使えるか確認しましょう。

愛知県の案内では、原則として事業実施の前年度に、整備予定地の市町村等へ事前協議を行う必要があります。補助主体や手続きは地域・事業によって異なるため、国の補助との併用も含め、計画の早い段階で相談してください。

※参照元:愛知県公式サイト「地域医療介護総合確保基金(施設整備分)について」(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/korei/aichi-chiikiiryokaigo-seibi.html)
※参照元:愛知県公式サイト「愛知県介護施設等整備事業費補助金交付要綱別表」(https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/629042.pdf)

補助金の対象条件と要件

サ高住として求められる基準

サ高住として登録するには、段差解消や手すり設置などのバリアフリー仕様、居室面積や設備といった住環境に関する基準を満たす必要があります。

加えて、安否確認や生活相談といったサ高住ならではのサービス提供体制を整えることも必要です。これらは、高齢者が安心して暮らせる住まいを提供するための基本となります。

ただし、住宅としての登録基準と、建設補助金を受けるための要件は同じではありません。登録可能な設計でも、補助制度の追加要件に適合しない場合があります。設計時には両方を確認しましょう。

※参照元:愛知県公式サイト「サービス付き高齢者向け住宅登録制度」(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/jutakukeikaku/0000081894.html)

補助金申請の主な条件

令和8年度の国の整備事業では、通常の新築事業について、次のような条件が示されています。

  • 住戸の床面積を25㎡以上とし、台所・洗面・収納などの設備を備えること。浴室は共同浴室の有無に応じた条件を満たすこと
  • サ高住として10年以上登録を継続すること
  • 住戸面積と所在地に応じた家賃限度額を守り、周辺の同種住宅の家賃と均衡させること
  • 入居者が任意の事業者による介護サービスを利用できること
  • 情報提供システムで運営情報を提供・更新すること
  • 入居者の健康維持・増進やフレイル予防等の取組を月1回以上実施すること
  • 地域住民も利用できる交流スペース等を原則設け、交流促進の取組を月1回以上実施すること
  • 自治体のまちづくり方針との整合や、災害リスクに関する立地条件を満たすこと

建物の仕様だけでなく、開設後の家賃やサービス、地域交流の取組まで含めて計画する必要があります。上記は主な条件のため、敷地・設計・運営計画を交付申請要領に照らして確認してください。

※参照元:サービス付き高齢者向け住宅整備事業事務局公式サイト「募集内容の概要」(https://koreisha.mlit.go.jp/service/dl/5-1_R08_service_point.pdf)

サ高住建設補助金の申請期限と手続き

事業登録と交付申請の期限

令和8年度の国の整備事業では、事業登録と交付申請に別々の期限が設けられています。

手続き 期限
補助事業の事業登録 2026年9月25日(金)
交付申請(本申請) 2026年12月11日(金)消印有効

事業登録は、補助金を申請する予定の案件概要を事務局へ登録する手続きであり、自治体が行う住宅の登録とは別のものです。事前審査を受けている場合も、期限までに本申請が必要です。

受付状況によっては予告なく受付が終了する場合もあります。期限直前に準備を始めず、事務局の最新案内を確認しながら進めましょう。

※参照元:サービス付き高齢者向け住宅整備事業事務局公式サイト「令和8年度 交付申請要領」(https://koreisha.mlit.go.jp/service/dl/1-1-A_R08_kouhuyoryo.pdf)

事前相談から申請・着工までの流れ

新築計画では、住宅の登録、補助事業の事業登録、自治体への意見聴取などを、各窓口と調整しながら進めます。住宅の登録や意見聴取などが完了する前に、補助事業の事前審査を利用できる場合もあります。

愛知県の住宅登録は事前相談制で、県の案内では、書類提出から登録完了まで多くの事案で約2か月かかっています。県への登録が必要な計画では、事前に相談日を予約し、図面や申請書類を準備してください。

その後、必要書類をそろえて補助金の交付申請を行います。国の新築事業では、交付決定を受けてから工事に着手する必要があります。申請書を提出した段階で着工しないよう、建設会社と工程を共有しましょう。

なお、既設改修や自治体の補助では、工事請負契約の締結時点が判断基準となる場合があります。契約・着工の順序は、利用する制度ごとに確認してください。

※参照元:愛知県公式サイト「サービス付き高齢者向け住宅登録制度」(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/jutakukeikaku/0000081894.html)
※参照元:サービス付き高齢者向け住宅整備事業事務局公式サイト「令和8年度 交付申請要領」(https://koreisha.mlit.go.jp/service/dl/1-1-A_R08_kouhuyoryo.pdf)

工事完了から補助金受領までの流れ

工事完了後は、工事内容や支払いを確認できる資料などをそろえ、完了実績報告を行います。審査を経て補助金額が確定した後、支払いの手続きに進みます。実績報告には事前相談も必要なため、竣工前から準備してください。

補助金が工事代金の支払い前に入ることを前提にせず、受領までの資金を確保しておくことが大切です。建設会社への支払時期と、自己資金・融資の実行時期を照らし合わせて資金計画を立てましょう。

また、設計や事業内容を変更する場合は、変更前に事務局へ相談してください。無断で変更すると、補助金を受け取れなくなる可能性があります。

※参照元:サービス付き高齢者向け住宅整備事業事務局公式サイト「令和8年度 交付申請要領」(https://koreisha.mlit.go.jp/service/dl/1-1-A_R08_kouhuyoryo.pdf)

補助金を活用して建設コストを抑えるポイント

要件を満たした設計を行う

補助金を活用するには、設計の初期段階から補助要件を反映しておくことが重要です。基準を満たさないまま進めると、申請が難しくなるだけでなく、修正に伴う設計変更費や工事費の増額につながることがあります。

共用部の配置や設備仕様などを早い段階で確認し、運営計画と合わせて設計に落とし込みましょう。加算を利用する場合も、補助額だけでなく追加工事費を比較し、事業全体の負担を見て判断することが大切です。

補助金活用に強い専門会社へ依頼

複雑な基準や申請手続きが求められるサ高住建設では、補助制度を踏まえた設計・施工を相談できる会社を選ぶことが大切です。対応できる業務は会社によって異なるため、申請支援の範囲と、設計・見積もり・工程調整をどこまで任せられるかを確認しましょう。

  • サ高住の登録基準と補助要件を踏まえた設計に対応できるか
  • 補助対象・対象外の工事費を分けて見積もりを整理できるか
  • 申請書類や実績報告資料の作成をどこまで支援できるか
  • 交付決定を踏まえた着工・竣工スケジュールを調整できるか

相談時には、建設予定地、戸数、開設希望時期、運営形態、予算を伝えると、具体的な検討を進めやすくなります。支援費用も含めて確認し、自社で行う手続きと依頼する業務を明確にしておきましょう。

まとめ:補助金を味方にするサ高住建設の進め方

サ高住建設には、国や自治体の補助金を活用することで、初期投資の負担を抑えられる可能性があります。申請には、住宅としての基準や整備要件を満たした計画づくりが欠かせず、設計段階からの準備が重要です。

補助率や上限額に加えて、対象経費、申請期限、受領までの資金計画も確認しましょう。スムーズな事業化のためにも、自治体や事務局、建設会社へ早めに相談し、手続きと工事のスケジュールを調整することが大切です。

当メディアでは、福祉事業の成功率を高めたい方に向けて、介護福祉施設の種類別におすすめの建設会社を紹介しています。併せてご確認ください。

Three Selections
愛知の介護事業者向け
福祉施設建設会社3選
住宅型有料老人ホーム
(ナーシングホーム)
の建設なら
タチ基ホーム
タチ基ホーム公式HPキャプチャ
引用元:タチ基ホーム公式HP(https://tachiki-home-tci.com/works/)
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名古屋市を中心に愛知・岐阜で年間約5棟の医療・福祉施設の実績あり(2026年1月調査時点)※1。木造建築に特化し、鉄骨造より建築費用を抑えられる点を生かして、施設建設の初期投資を抑えている。

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建設事例
タチ基ホームの建設事例写真
引用元:タチ基ホーム公式HP(https://tachiki-home-tci.com/works/)
種別 住宅型有料老人ホーム
(ナーシングホーム)
規模 26室
所在地 愛知県名古屋市守山区
障がい者向け
グループホーム
の建設なら
グッドホーム
グッドホーム公式HPキャプチャ
引用元:グッドホーム公式HP(https://good-home-fukushi.com/works)
建設の特徴

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建設事例
グッドホームの建設事例写真
引用元:グッドホーム公式HP(https://good-home-fukushi.com/works)
種別 障がい者GH
規模 記載なし
所在地 記載なし
サービス付き
高齢者向け住宅
の建設なら
ネイブレイン
ネイブレイン公式HPキャプチャ
引用元:ネイブレイン公式HP(https://nabrain-fukushi.com/construction/service/entry-30.html)
建設の特徴

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事業サポート

賃料保障のついた賃貸管理サービスを提供。日本管理センターと損保会社との提携で、保証賃料に保険がついており、収益性を担保※3。

建設事例
ネイブレインの建設事例写真
引用元:ネイブレイン公式HP(https://nabrain-fukushi.com/construction/service/entry-20.html)
種別 サ高住
規模 記載なし
所在地 愛知県豊橋市

※1参照元:タチ基ホーム公式HP(https://tachiki-home-tci.com/)
※2参照元:ネイブレイン公式HP(https://www.apart-kk.jp/s-grouphome/operator)
※3参照元:ネイブレイン公式HP|保証を受ける条件の詳細は、直接お問い合わせください。(https://nabrain-fukushi.com/lineup/service-home/)