サ高住の建設費用

目次

高齢者の住まいとして需要が高まるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)。本記事では、建設費用の相場から内訳、費用が変動する要因、コストを抑えるための具体的なポイントまでを整理し、計画段階で押さえておきたい基礎知識をわかりやすく解説します。

サ高住の建設費用相場

サ高住の建設費の一例

サ高住の公的な坪単価や相場データはありません。参考までに、国内の建設会社が公開しているサ高住(定員20名)の費用目安を調査したところ、施工費は約1億1,000万円から3億5,000万円、什器費用は約5,000万円から8,000万円、備品費用は約1,000万円でした。

ただし、上記は特定の条件をもとにした一例です。実際の建設費は延べ床面積や建物構造、施工地域、設備仕様、土地の状況などによって大きく変わります。そのため、事業計画を立てる際は総額だけでなく、坪単価や建物規模もあわせて確認することが大切です。

※2025年12月9日時点・編集チームによる調査
※参照元:サ高住宅シェルパ(https://satsuki-jutaku-sherpa.jp/2022/03/27/serviced-housing-for-the-elderly-construction-costs/)

参考:福祉介護施設の構造別坪単価

サ高住だけを対象として、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造などの構造別建設費をまとめた公的な統計はありません。そこで参考として、国土交通省の「建築着工統計調査」をもとに算出された、2025年の福祉介護施設における全国の坪単価を確認してみましょう。

建物構造 坪単価の目安
木造 約99.0万円/坪
鉄骨造 約132.4万円/坪
鉄筋コンクリート造(RC造) 約136.8万円/坪
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) 約155.1万円/坪

構造別に比較すると、上記の統計では木造が約99.0万円/坪と最も低く、鉄骨造・RC造・SRC造の順に坪単価が高くなっています。ただし、構造だけで建設費が決まるわけではありません。建物規模や地域、設備、資材価格、敷地条件などによって実際の見積額は変わるため、あくまでも初期段階で予算を検討する際の参考値として活用しましょう。

※上記はサ高住のみを対象とした坪単価ではありません。2025年の「福祉介護施設」は、「老人ホーム、福祉ホームその他これに類するもの」「保育所その他これに類するもの」「児童福祉施設等」のデータを合計して算出された参考値です。
※2025年1月以降は建築工事届の様式変更により、工事費予定額に消費税を含むものと含まないものが混在しています。
参照元:国土交通省 建築着工統計調査

延床面積別の建設費シミュレーション

おおまかな建設費は、「坪単価×延べ床面積」によって試算できます。先ほど紹介した2025年の福祉介護施設における坪単価を使い、200坪・300坪・400坪の建物を建設した場合の費用を試算すると、以下の通りです。

延べ床面積 木造
約99.0万円/坪
鉄骨造
約132.4万円/坪
RC造
約136.8万円/坪
200坪 約1億9,800万円 約2億6,480万円 約2億7,360万円
300坪 約2億9,700万円 約3億9,720万円 約4億1,040万円
400坪 約3億9,600万円 約5億2,960万円 約5億4,720万円

例えば、延べ床面積300坪の鉄骨造であれば、単純計算では建設費は約3億9,720万円となります。ただし、これは統計上の坪単価を延べ床面積に掛けた参考値であり、実際のサ高住の見積額を示すものではありません。

また、坪単価から算出した建設費と、サ高住を開業するまでに必要な総事業費は異なります。土地取得費や外構工事、地盤改良、設計・申請、設備・什器、開業準備などの費用が別途必要となる場合があるため、事業計画ではこれらも含めて資金を見積もりましょう。

戸数・規模による費用の違い

サ高住は、戸数や延べ床面積が増えるほど建物全体の規模も大きくなるため、基本的には建設費の総額も増加します。ただし、建設費は「1戸あたりの費用」だけでなく、共用部分を含めた延べ床面積や設備構成によっても変わる点に注意が必要です。

例えば、食堂や談話スペース、共用浴室、厨房などを広く設ければ、その分だけ床面積や設備工事費が増加します。一方で、戸数を増やしてもエントランスや事務室など共通して必要なスペースが同じ規模で済む場合もあるため、建設費が必ず戸数に比例するとは限りません。

入居対象者や提供するサービスを明確にしたうえで、必要な戸数・居室面積・共用部を設計し、事業収支に適した規模を検討することが重要です。

建設費用の内訳

サ高住の建設費用の内訳

サ高住の事業を始める際に必要な費用は、建物本体の工事費だけではありません。土地を所有していない場合は土地取得費が必要になり、さらに付帯工事、設計・申請、設備・什器などさまざまな費用が発生します。

費用 主な内容
土地取得費 土地代、仲介手数料、取得に伴う諸費用など
本体工事費 建物本体、居室、共用部分などの建築工事
付帯工事費 外構、駐車場、給排水引込、地盤改良など
設計・申請等の諸費用 設計、建築確認、登記、各種申請など
設備・什器・備品費 家具、厨房設備、介護関連設備、備品など
開業準備費 採用、広告、システム導入、消耗品など

「建物を建てる費用」と「サ高住を開業するまでの総事業費」は分けて考えることがポイントです。坪単価だけで予算を組むと、本体工事以外の費用が想定を上回る可能性があるため、計画初期から必要な費用を洗い出しておきましょう。

土地取得費

土地を所有していない場合には、建設費とは別に土地取得費が必要です。土地価格は地域による差が大きく、立地によっては建物本体と並ぶ大きな初期投資となる場合があります。

また、土地そのものの価格だけでなく、仲介手数料や登記に関する費用などが発生することもあります。さらに、土地の形状や高低差、地盤、接道、上下水道などの条件によっては、土地取得後に追加の造成・地盤改良・インフラ整備費が必要になる可能性があります。土地を選定する段階から建設会社などの専門家に相談し、建物を建てるために必要な費用まで確認しておくと安心です。

本体工事費

本体工事費は建物施工の主要コストであり、予算全体の中で最も大きな割合を占めます。金額変動の主な要因は、各居室に設置されるトイレ・洗面台・簡易キッチンといった設備のグレードです。

多数の独立した住戸を整備するサ高住は、設備の単価差が「戸数分」積み重なり、総額に大きく影響。運営方針や入居者像に合わせた仕様の精査こそ、予算内で過不足のない建設計画において重要です。

付帯工事費・諸費用

付帯工事費には、外構工事や駐車場整備、上下水道引込に加え、土地の状況次第で地盤改良費などが発生します。敷地条件による金額変動のリスクがあるため、候補地の選定段階から概算を把握しておく対応が、総予算のブレを防ぐポイントです。

また、設計費・建築確認申請費・登記費用といった諸経費も、合計するとまとまった金額になります。本体工事以外のコストを初期段階で十分に見込んでおく対応は、資金ショートなどの事態を未然に防ぎ、精度の高い事業計画を立てるうえで役立ちます。

サ高住の建設費が高くなりやすい理由

サ高住は一般的な賃貸住宅と同じように居住するための建物ですが、サービス付き高齢者向け住宅として登録するためには、居室面積や設備、バリアフリーなどの基準を満たす必要があります。そのため、計画内容によっては一般的な賃貸住宅と比べて建築・設備に必要な費用が増える場合があります。

居室面積・設備に登録基準がある

サービス付き高齢者向け住宅では、各専用部分の床面積を原則25㎡以上とし、台所・水洗便所・収納設備・洗面設備・浴室を設置することが基本的な登録基準となっています。

ただし、居間や食堂、台所などの共同利用部分が十分な面積を確保している場合には、専用部分を18㎡以上とできる場合があります。また、共同で利用するための適切な設備を設けることで、一定の設備を各戸に設けないことが認められるケースもあります。具体的な基準は自治体によって異なる場合があるため、計画地域の登録基準を事前に確認しましょう。

バリアフリーへの対応が必要

サ高住にはバリアフリー構造が求められます。高齢者が安全に生活できるよう、段差の解消や手すりの設置などを踏まえた設計が必要です。

バリアフリーへの対応は入居者の安全性や暮らしやすさにつながる一方、通常の賃貸住宅にはない設計や設備が必要となれば建設費にも影響します。コストだけで判断せず、登録基準と入居者の安全性を満たすことを前提に仕様を検討することが重要です。

共用部・サービス提供に必要なスペースがある

事業計画によっては、食堂や談話スペース、共用浴室、厨房、スタッフルームなどを設けるケースがあります。こうしたスペースを充実させるほど延べ床面積や設備工事が増え、建設費も高くなる傾向があります。

一方で、共用部分をどこまで設けるべきかは、入居者像や提供するサービスによって異なります。「あると便利だから」という理由だけで設備を増やすのではなく、運営方針と利用頻度を踏まえて必要性を判断することが、適正な建設費につながります。

参照元:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000005.html)

建設費用を左右する主な要因

地域や施工単価

サ高住の建設費は、建設エリアの地域特性や、施工会社が得意とする構造との相性によって大きく変動します。都市部では人件費や材料の輸送コストが影響し、地方に比べて総額が割高になる傾向に。

一方、施工単価については、計画する構造と依頼先の強みが合致すれば、無駄なコストを抑えた適正価格での施工につながります。エリア相場を把握しつつ、各社の得意分野を見極める比較検討は、建設費をコントロールするうえで大きなポイントです。

共用部や設備仕様の違い

サ高住の建設費は、居室だけでなく共用部の広さや設備仕様によっても変動します。例えば、広い食堂や談話スペース、共用浴室、厨房などを設ければ、床面積や設備点数が増えるため、建設費も高くなりやすくなります。

一方、サ高住では一定の条件を満たせば、台所や収納設備、浴室などを共用部分に設けることも可能です。ただし、単純に設備を削減できるわけではなく、各戸に設けた場合と同等以上の居住環境を確保することなどが求められます。

建設費を適正に保つためには、登録基準を満たすことを前提に、入居者像やサービス内容に合わせて専用部分と共用部分の設備構成を検討することが重要です。

建設費を抑えるポイント

標準仕様・コストダウン設計の活用

建設会社が持つ標準プランや基本仕様を活用することで、余計なカスタマイズを避け、建設費を大きく抑えやすくなります。特にサ高住では、利用頻度の低い共用部や過剰な設備を追加すると、初期投資が不必要に膨らむことも少なくありません。

どの設備が本当に必要かを明確にし、標準仕様を軸に設計を進めることで、品質を保ちながらムダのないコスト計画を実現しやすくなります。

地盤調査・複数社比較

建設費は地盤状況によって大きく変わるため、早い段階で地盤調査を行うことが、予期せぬ追加費用を防ぐ重要なポイントです。

また、複数社から見積もりを取得して比較することで、工事内容や金額の妥当性が見え、適正価格での建設がしやすくなります。会社ごとに工法や提案内容が異なるため、比較検討を行うほど自分の土地に合った最適な選択ができ、納得感を持って計画を進めることにつながるでしょう。

補助金・融資制度を確認する

サ高住の整備では、国による補助制度や住宅金融支援機構の融資などを利用できる場合があります。制度を活用できれば、建設時に必要となる自己資金や資金調達の負担を抑えられる可能性があります。

ただし、補助対象となる工事や補助率、戸当たりの上限額、申請期間などは年度や事業内容によって異なります。また、補助金には登録や申請の期限が設けられているため、建設工事を開始してから調べるのではなく、事業計画の初期段階で最新制度を確認しておくことが大切です。

補助金の利用を想定する場合は、サ高住の補助制度に詳しい建設会社や専門家にも相談し、建設スケジュールと申請スケジュールをあわせて検討しましょう。

参照元:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000005.html)

サ高住建設の見積もりを比較するときのポイント

サ高住の建設会社を比較する際は、提示された坪単価や総額だけで判断しないことが大切です。同じ「建設費」という表記でも、会社によって見積もりに含まれる工事や設備の範囲が異なる場合があります。

坪単価に含まれる工事範囲を確認する

坪単価を比較する際には、どこまでの工事が金額に含まれているのかを確認しましょう。本体工事だけを坪単価としているケースもあれば、設備工事などを含めて提示しているケースもあり、単純な数字だけでは比較できないためです。

「坪100万円」と「坪120万円」という2つの見積もりがあったとしても、前者に必要な工事が含まれていなければ、最終的な支払額では逆転する可能性があります。見積条件をそろえたうえで比較することが重要です。

本体工事以外の費用まで含めて比較する

本体工事費に加えて、外構、地盤改良、給排水引込、設計、申請、厨房や家具・什器などにどの程度の費用が必要なのかも確認しましょう。

「建物本体はいくらか」ではなく、「開業までに総額いくら必要になるか」という視点で見積もりを比較することで、予算超過のリスクを抑えやすくなります。

サ高住・福祉施設の施工実績を確認する

建設会社を選ぶ際には、サ高住や高齢者施設などの施工実績も確認したいポイントです。サ高住には居室面積や設備、バリアフリーなどの登録基準があり、一般的な賃貸住宅とは設計時に考慮すべきポイントが異なります。

また、建物完成後の運営を考えると、入居者やスタッフが移動しやすい動線、設備配置、将来的なメンテナンスなども重要です。建設費だけでなく、サ高住の事業計画や運営まで踏まえた提案ができる会社かを比較しましょう。

まとめ:サ高住建設の計画を前に進めるために

サ高住の建設費用は、建物構造や延べ床面積、地域、設備仕様、敷地条件などによって大きく変わります。また、坪単価から算出できる建設費だけでなく、土地取得や付帯工事、設備・什器などを含めた総事業費を把握しておくことが大切です。

予算を検討する際は、登録基準を満たしたうえで必要な設備・共用部を整理し、同じ条件で複数の建設会社から見積もりを取得するとよいでしょう。利用できる補助金や融資制度についても、計画初期の段階で確認しておくことをおすすめします。

当サイトでは、福祉事業の成功率を高めたい方に向けて、介護福祉施設の種類別におすすめの建設会社を厳選。サ高住建設でおすすめの会社も掲載していますので、建設費や計画について相談する会社を探している方は参考にしてみてください。

Three Selections
愛知の介護事業者向け
福祉施設建設会社3選
住宅型有料老人ホーム
(ナーシングホーム)
の建設なら
タチ基ホーム
タチ基ホーム公式HPキャプチャ
引用元:タチ基ホーム公式HP(https://tachiki-home-tci.com/works/)
建設の特徴

名古屋市を中心に愛知・岐阜で年間約5棟の医療・福祉施設の実績あり(2026年1月調査時点)※1。木造建築に特化し、鉄骨造より建築費用を抑えられる点を生かして、施設建設の初期投資を抑えている。

事業サポート

グループ会社が訪問看護ステーションや有料老人ホームを運営。 介護関連の資格者であるスタッフが、直近の医療・福祉制度を踏まえ、開設前のサポートなど幅広く対応。

建設事例
タチ基ホームの建設事例写真
引用元:タチ基ホーム公式HP(https://tachiki-home-tci.com/works/)
種別 住宅型有料老人ホーム
(ナーシングホーム)
規模 26室
所在地 愛知県名古屋市守山区
障がい者向け
グループホーム
の建設なら
グッドホーム
グッドホーム公式HPキャプチャ
引用元:グッドホーム公式HP(https://good-home-fukushi.com/works)
建設の特徴

調整区域に福祉施設を建てるためのノウハウを持ち、土地コストを削減しつつ、幅広い建設地選定が可能。競合他社と土地を取り合う必要がなくなり、競争力強化につながる。

事業サポート

障がい者向けグループホームを自社運営し、現場での課題に精通。入居者募集・スタッフ採用・人員の配置まで実践的にサポート。

建設事例
グッドホームの建設事例写真
引用元:グッドホーム公式HP(https://good-home-fukushi.com/works)
種別 障がい者GH
規模 記載なし
所在地 記載なし
サービス付き
高齢者向け住宅
の建設なら
ネイブレイン
ネイブレイン公式HPキャプチャ
引用元:ネイブレイン公式HP(https://nabrain-fukushi.com/construction/service/entry-30.html)
建設の特徴

愛知・岐阜エリアで年間10棟以上のサ高住を手掛ける実績(2021年の実績)※2から、建物を規格化。
入居者が厚生年金の範囲内で無理なく払える家賃を起点に建設費を逆算し、事業としての安定性を優先した経営プランを提案します。

事業サポート

賃料保障のついた賃貸管理サービスを提供。日本管理センターと損保会社との提携で、保証賃料に保険がついており、収益性を担保※3。

建設事例
ネイブレインの建設事例写真
引用元:ネイブレイン公式HP(https://nabrain-fukushi.com/construction/service/entry-20.html)
種別 サ高住
規模 記載なし
所在地 愛知県豊橋市

※1参照元:タチ基ホーム公式HP(https://tachiki-home-tci.com/)
※2参照元:ネイブレイン公式HP(https://www.apart-kk.jp/s-grouphome/operator)
※3参照元:ネイブレイン公式HP|保証を受ける条件の詳細は、直接お問い合わせください。(https://nabrain-fukushi.com/lineup/service-home/)